コラム - 院長より

 

Vol.9 2004/02/15

受験に思う

 2月半ばといえば、受験生はセンター試験後の瞬間的な休息もつかの間、真剣勝負が続く時です。しかし先日2月10日付けの新聞調査によれば、大卒の就職内定率は過去最低の73.5%であり、4人に1人はフリーターであるとのことでした。4年制大卒の就職率が9割以上であったのは古き良き時代。混沌とした今の時代に、なぜ大学受験をしなければならないのか?と悩む受験生が多いのではないかと思われます。

 日本では昔よりいい大学に入ればいい会社に入れる。給料もよく一生保証される、という考えがありました。少なくても私の世代では、そうでした。しかし終身雇用制が崩れ、堅い仕事の代表とされた銀行も倒産する現代、親も受験生もこのような考え方は既に今は昔の言い伝えになってしまったことを強く認識すべきであると思います。ただ大学に入っても、4人に1人は職がない、将来自分はこうありたい、こうなりたいからこれを学びに大学に行くのだという目的がなければ、大学進学は無意味であると思われます。

 現在仕事をしながら休日や夜間、自分の将来の像をしっかり夢見ながら大学に通っている方々も多いと思います。目的のある人は、目の輝きが違います。しかし一方では、従来どおり大学に入ることだけが目的になってしまい、入ってからはひたすらバイトと遊びに明け暮れて、やっと卒業する若者が多いのも事実ではないでしょうか? 私は日本も外国のように、高校卒業の時点で一度就職して世の中を見てから、自分はこれを勉強したいと本当に思った時に大学を受験できる制度にしてみてはどうかと思います。学歴だけを求めた学ぶ気のない学生がいくらいても、日本の将来は決して豊かな文明国としては約束されません。

 現代病といわれる心の病になってしまう方の中には、明確な目的意識なしに世に押出されようとした時、心のささやかな抵抗を感ずる方もいらっしゃるのではないかと思います。