コラム - 院長より

 

Vol.10 2004/03/15

子供たちとの会話

 ある日、お母さんと7歳になる男の子が相談に訪れました。「先生この子、自分の手と足をかんで、皮がむけてしまっているのですが。。。」

 私とその子との会話が始まりました。僕、海で泳ぐタコ知ってる? うん知てる。タコの足は何本ある? 8本だよ。タコは自分の足食べるんだよ。自分の足食べちゃったから、足が8本になっちゃったんだよ。僕も自分の足、食べちゃうと足がだんだん4本、5本と増えちゃうよ。 へえ~(少しびっくり顔になる)! 先生、イカは? イカだって同じだよ。自分の足食べちゃうから、あんなに足が多くなっちゃったんだよ。10本もあるんだよ。ふ~ん! じゃあ先生、イカがタコの足を食べたらどうなるの? 僕、お母さんの足や先生の足、食べる? 嫌だよ、お母さんの足なんか水虫がいるもん。お腹いたくなっちゃうよ。そうだね、僕の足にだって、水虫がいるかもしれないから、足の皮食べるのやめようね。。。 その子は大きな目をキラキラと見開いて帰っていきました。しばらくしてから、その子から今日は楽しかった、先生にありがとうと言っといてという電話が入りました。

 少し前に、すぐにキレル子供のことが社会問題となりました。最近では、赤ちゃんや子供を虐待し"キレする親"のことが報道されています。私は子供を躾けることと、鍛えること叱ることは異なるものであると思います。幼いときに、親が子供に夢を持たせるような会話をたくさんして、大地に深く根を張らせるようにしてやること、そして根が張ってから鍛えるために寒風吹きすさぶ社会に出してやる。これが教育の基本のように思えてなりません。ただ怒鳴るだけでなく子供を納得させる話し方をすることが親の責務ではないでしょうか? 苗木の根がはる前に冬の寒空の下にさらしたらすぐ枯れてしまいます。もちろん他人に迷惑をかけるようなことをした時には、厳しく叱らなくてはなりません。

 キレル子供や親の報道を耳にするたびに、私は世代から世代へ繰り返される家庭内の環境に思いがいってしまいます。