コラム - 院長より

 

Vol.20 2005/01/15

若き日に薔薇を摘め

 年末に偶然見たTVで 瀬戸内寂聴さんがおっしゃっておられました。「バラを摘むと、トゲが刺さって血が出る。でも若い人はすぐ治るのだから、躊躇せず怖がらず なんにでも手を出さなくちゃ。たくさん経験して、たくさん苦しんだほうが死ぬ時に、ああ、ほんとによく活きたと思って逝けるでしょう。いつも逃げていたんじゃ、貧相な人生しか送れませんわよ」 とても心にしみるお話でした。ちょうど往診の最中でで、ご高齢の方を診ていたときであり、そのご家族とともに、若さと老いの間に境界があるのかと話し込んでしまいました。

 サミュエル・ウルマンはその代表作の詩『青春』の一節に、

「青春とは心の若さである

 信念と希望にあふれ
 勇気に満ちて
 日に新たな活動を続ける限り

 青春は永遠に
 その人のものである」

と書いております。

 昨年11月に当院では認知症(昨年までの痴呆症)について勉強会をしました。その映画の最後で柴田恭平さんが演じる息子さんが、認知症のお父さん(財津一郎さんがふんする)を抱きかかえながら、「ずっと親父は乗り越える目標だったのに、どうしてこうなっちゃったんだ!」と泣きながらつぶやいていました。自分が子供の頃見ていた、若き日の父がこんなにボケてしまって、帰り道もわからず徘徊してしまう、何でも食べてしまう、どこでも排泄してしまう。親父はこんなに老いてしまったのかという悲しい涙だったように思います。 たおやかに新しい年が始まりました。心の若さを失わず、毎日元気に活動を続ける限り、寂聴さんが言う薔薇は摘み続けられると思います。挑戦することを忘れずに。。。