コラム - 院長より

 

Vol.38 2006/07/15

予期不安と現実の不安

 私たちの心の中は、いつもさまざまな心配ごとに満ち溢れています。仕事の不安、ご家族の不安、恋愛の不安など、いろいろありますね。その度に心が揺れ、押しつぶされそうな気持ちになってしまいます。苦しくて苦しくて、悲しくて悲しくて、毎日がとても憂うつです。

 私たちを襲ってくる不安には、まだおきていない遠い先の不安(予期不安)と、今すでに起きてしまっている現実の中での不安があるように思えます。どちらの不安でも、一度不安になると、こうなったらどうしよう、ああなったらどうなってしまうのかと考えてしまい、頭の中が堂々巡りとなり混乱し、結局、更に大きな不安になってしまいます。

 私自身もこのところ、仕事・プライベートにわたり、この不安なるものに重くつぶされそうになっていました。この不安から抜け出すのはとても苦しかったです。まだ完全には抜け出せていないかもしれません。でもそのとき思ったことは、まだおきてもいない不安を“想像"して、自分を暗くし、へこませてなんのためになるのか?!ということでした。自分が不安で暗い顔をしていては、自分の周囲にいてくださる人々も暗くしてしまう。スマイルでいなくてはと思いました。

 今おきているトラブルをどのように解決したらいいのかも十分にわからないのが、我々凡人の常なる苦しみですが、その上にさらに“想像"にほかならない予期不安に怯えていては、とても私たちのメンタルはもちません。今おきている現実の不安だけを解決するように、自分の意識を変えなければならないと思います。“想像"の産物を追いかけて、疲れ果てるならば、そのエネルギーで現実の諸問題の解決に当ててみようと思います。今を生きるとは、まさにこのことではないかと強く思います。

 不安は生きている限り、きっと逃れられない心の鏡であると思います。その日の気温、湿度によって鏡はすぐ曇ってしまいます。しかし曇った鏡はみがいてあげれば、またきれいになり、もっと輝きます。私たちは、今そこにある不安に対してのみ目を向けて対峙していくべきではないでしょうか?