コラム - 院長より

 

Vol.53 2007/10/15

求めない

 最近、信州伊那谷の作家が、求めないという本を出版されました。伊那は私の実家の諏訪からもそう遠くはない場所でもあることから、早速、通し読みをしてみました。

ほんの3分でも求めないでごらん。
不思議なことが起るから。
求めない、すると何かが変わる。
求めない すると心が広くなる
求めない すると恐怖心がきえてゆく
求めない するとひととの調和が起こる
求めない すると待つことを知るようになる

 今の世の中、私たちは皆、自分があの人にこうしてあげたのに私には何もしてくれない、私はこうしてきたのにどうしてこんな仕打ちを受けるのか等、日々、心の葛藤を抱きながら生きているように思います。人間ですから、仕方ないことであると思います。それで自然なのだと思います。イエス・キリストや仏様がされたという無償の愛の境地などには、到底たどりつけないのが我々凡人ですよね。また治療にいきづまってしまい苦しくなった時、とてもとても怖くなってしまいます。それも自然な人の気持ちですね。

 でもこの作者が我々に語りかけてくれているのは、日常生活の中で苦しくなったとき、3回くらい深呼吸をして、頭と心の中を少しの間だけ空っぽにしてみてはということではないかと思います。一呼吸おいて何にも自分にも相手にも期待しないことで、ふっと楽になるよ、ということではないでしょうか。

 私のクリニックはまもなく第一幕が閉演し、この11月5日からすぐ近くに移転いたします。この地に開業して満6年、いろいろなことがありました。私のクリニックを訪れてくださった方々は皆、よくなりたいとのお気持ちから、私にたくさん求められたと思います。その求めに私が充分お答えできなかった方もいっぱいおられたのではないかと、、、ひたすら反省です。私の知識、言動の至らなさ、スタッフの至らなさ以外、なにものでもありません。

 でも皆さん、クリニックではどうぞたくさんのものをこれからも求めてください。体の病気を治すだけでなく、心の苦しさからの開放を目指して、いつでも求めて下さいね。及ばずながらでき得る限り、我々も皆さんに、心の手と古今東西で良いと考えられている医学を以っておこたえします。

 第二幕の開演、私の持てる全てのものを発揮していきたいと思います。それでは新クリニックで、またお会いしましょう!