コラム - 院長より

 

Vol.55 2007/12/15

延命治療と積極治療はちがいます

 私は両親から「お前は生まれて9ヶ月目に、かかりつけのお医者さんから、腸感冒でこの子はもう助からない。でも、もし生きる力があるなら、あの先生を紹介するから行ってみなさい、といわれ、行った先生に手厚く治療してもらい救われたんだ」と、幾度となく聞かさました。どうやら私は一度、逝きかけたようです。美しい川を何も覚えてはいませんが、、、

 病には寿命に終止符をうつ病気と、治療すれば治癒するのにほおって置くと命を左右する病気があります。前者は現代の医学をもってしても、命を少しの時間ながらえることは可能でも完治させることはできない“悪い病気”、後者は、現代医学を持って立ち向かえば、命を救うことができる、言ってみれば“いい病気”です。

 我々医者の仲間には、悪い病気に対しても、命の時間を長くさせようと日夜、延命治療に患者さんとともに頑張っている皆さんがいます。その熱意と努力には私も現場にいる1人として敬意を払います。逆に治療すればいい病気なのに、自暴自虐になってしまい、治療しない患者さんが時にいらっしゃいます。命を粗末にしているとしかいえません。とにかく治る病気は、頑張って積極的に治療することです。でも医者も患者も一緒になって、一生懸命治療して、ダメだとわかった時、どこまで延命治療するかはとても難しい問題であると思います。

 人生は経験と感動の旅といわれますが、その旅を無事終わらせることができるようお手伝いすること、それが我々医者の最大の役目ではないかと思われてなりません。医者は神から授かった命の宿る体をメインテナンスする職人です。

 まもなく訪れる新しい年が、輝かしくそして心温まる一年でありますように。