コラム - 院長より

 

Vol.74 2009/7/15

医者がすること、しなくてはいけないこと

最近 あるかたから「先生、お医者さんの仕事ってどんなこと?」と聞かれました。ちょっと聞くと普通の質問のように思います。でもその方は、ご家族に非常に難しいご病気の方がおられ私にこの質問を投げかけてこられていたことにすぐ気づきました。その方はさらにたたみかけるようにこうおっしゃいました。「先生が一生懸命治療してくれればしてくれるほど、長生きにはなる。でも病院のベッドの上で生かされているだけのように思えてなりません。お医者さんは生かすことが仕事ですか?」

 私は医者にはしなくてはならないことが3つあると思っています。

  1. ① 頑張って治療を続ければある程度回復される可能性が少しでもある方は、あきらめずに治療を続ける。
  2. ② どう見ても命が燃え尽き天に召される時が訪れていると見える方は、静かにお見送りをする環境を整えること。
  3. ③ 日常の医療に関する問題を解決するべく、その水先案内人になること。

①も②も医療の技術をみがくことは当然です。でも家族と話をすること、ご家族にどう気持ちを強く持っていただくかの説得これがとても大事だと思います。

まだまだ治れるのにもう延命治療したくないと諦めて全ての医療を放棄してしまおうとするご家族、逆にもうどうやっても助からない方に、意味を見出せない治療の継続を強く求めるご家族、どちらも患者さんを強く思うが故のお姿です。でもそのご家族にどう話しかけるか、医師の大きな腕の見せ場だと思います。