コラム - 院長より

 

Vol.87 2010/8/15

あとせいぜい30年

 在宅診療をしているとき、感銘を覚えたことがありました。

 ご高齢の実母を介護されてる娘さんとの会話の中でした。 そのお宅のまさに隣に、三階建の家ができることになりました。当然、そのお宅は真っ暗になってしまいます。私はそのことを隣の方とお話されましたか?と伺った時のことです。娘さんがおっしゃるには、隣とは小学生以来の付き合い、ごたごたしたくない。母を看ている私だって、あとせいぜい30年、生きているかわからない。TVでやっている龍馬の時代だって先生、考えてみれば、100年ちょっと前、すぐ前のことですよ。となりと付き合える30年だって、すぐいっちゃう。もめごとなんかより、楽しく生きたいわ。

 私は、この方の考え方、このお気持ちの持たれ方にとても心を動かされました。なにをあくせく、しかめっ面をして生きてるのだと、龍馬が笑いながら隣にいるような気持でした。