コラム - 院長より

 

Vol.93 2011/2/15

医療における水先案内人

先日、私の患者さんである疾患が疑われ大学病院に紹介した方から連絡がありました。大学病院でいろいろと検査をした結果、その検査結果からでは良性・悪性の判別はもとより、診断名もつかず、手術するかどうかはご自分の判断で決めてくださいと言われたとのこと。後日、写真を返してもらいに外来に行き、診断もつかないまま手術を自分で決めてくださいと言われても決められない、といったところ、外来ナースにも以下のように言われてしまったとのことです。その時のお気持ちを表したその方からのメールの内容です。

手術をするか、しないかの選択を
患者の決定に任せるのが不安ですと、
看護師の方に話しましたら
「患者さんに聞くのは当然です。手術は患者さんのものですから」と

勿論、手術を受けるか受けないかは
最終段階では患者の選択になりますが
病名もわからない、
説明もつかないまま、 最初から「お任せします」と丸投げされると
不安で、お医者様と患者の信用関係が成り立たないと
治療も望ましい結果には繋がらないと思います。

 私は、開業以来、医療における水先案内人でありたいと願ってきました。患者さんを最先端の高次医療機関にご紹介するのは日常のことです。私が日々思い描いている“主侍医”とは、私のところに通院されている時はもちろん、他院に紹介後も、そこで悩まれたらいつでもまた相談に来ていただいていいですよというものです。一度紹介し、私のところから離れてしまうと、この方のように1人で悩まれてしまう場合が多いようです。現在の多種多様の治療方法がある以上、悩んでしまうのは当然であると思います。その時点で、どの方向性の医療がいいのか、患者さんの傍にいていつも一緒に考え相談していく水先案内人としての開業医の存在は、今までもこれからも絶対に必要であると考えます。