コラム - 院長より

 

Vol.108 2012/5/15

補完療法と補完代替医療

先日、あるセラピー関係の方とお話をしていた時に、感銘を受けることを伺いました。

今まで、日本でも統合医療(Integrative Medicine)、補完代替医療(CAM: Complementary and Alternative Medicine)という言葉が使われてきました。しかし、現代医療にとって代わる医療を意味する“補完・代替”という領域の医療がが本当にあるのでしょうか?アメリカの統合医療の第一人者である、外科医バリー・R・キャシレス博士は、対談の中で、“いいえ、補完医療(Complementary Medicine)は存在しても代替医療(Alternative Medicine)というものは存在せず、補完医療は現代医療を補助するべきものである”と述べているというのです。そして最近、英国やアメリカでは、“今後は科学的なデータに基づいた補完医療(Evidence Based Complementary Medicine)略してEBCMと呼ぶことが決まった”そうです。

私は自分のクリニックを癒しの森でありたいという願いを込めて開院して以来、一貫して、西洋医学も東洋医学も、またあらゆるセラピーは患者さんを救う限り、全く同等、横一線であるというスタンスできました。医学で埋めきれない部分を色々なセラピーが補ってくれればよいと言ってきました。全く同じ考えが今、海の向こうで広がっていることに驚くと共に感銘を受けたのです。

しかし、今の日本を見ると統合医療や癒しという言葉をむやみに使って、非常にあやしげな●●セラピーなどもたくさんあるように思えてなりません。本当に患者さんを癒してくれる、医療の足りない部分を埋めてくれるセラピーとの区別がつきづらいのも事実です。

我々医療者は、この色々なセラピーに、客観的な検証を加え、科学に基づいた公正な根拠(Evidence)をもつ療法であるか否かを見極める義務があるのではないかと思います。私は、脳の専門家、脳科学者として、当院でも少しずつ色々なセラピーが脳に及ぼす効果の検証をしていきたいと思います。それは結果的に、セラピストの自信と患者さんの安心につながると思います。