コラム - 院長より

 

Vol.117 2013/2/17

手のひらの意味、合掌の意味

先日、ある仏教僧にいろいろと伺う機会がありました。

その時、手のひらの意味、合掌の意味について、ハッとするお話がありましたのでご紹介したいと思います。

掌という漢字の読み方には、「てのひら」、「ショウ」、そして 「たなごころ」の3種類があります。三番目の「たなごころ」とは、「手の心」からきています。手のひらは人の心を表しています。左の手は自分の心、右の手は仏様の御こころ。ひとと人が手を合わせれば心が通ずるはずです。もろ手を合わせれば仏様と自分の心がつながります。手と手をとりあって、手のひらのしわを合わせれば、「しあわせ」(幸せ)です。それでは手を合わすことの反対、手をそらすとはどういうことでしょうか? 手のひらを閉じること、そう、グー・チョキ・パーのグーをつくること、つまりゲンコツをつくることです。そうすると、心が通じる握手の反対に、ゲンコツとゲンコツのぶつかりあい、つまり、いがみ合いが始まります。ゲンコツの一番でっぱった関節の部分、節(ふし)の部分があわさりあうと、どうなります?ふしあわせ(不幸せ)になるのです。

昨今、アルジェリア事件や、グアムでの不幸な殺人などのあまりにも目を背けたい事件が多く嫌になります。そして身近の病気を見ても、うつ病や認知症、私はつらい現場を多く目にしています。みんな心と心の通い合いがもっと必要なのではないかと思います。日本人には、握手やハグする習慣がありません。でも我々も、もう少しスキンシップが必要であると思います。恋人同士、夫婦間だけでなく、ご高齢者へとのタッチも必要ではないでしょうか? 

“手当て”“手をかざす”という、治療の技は宗教を超えて大昔からあったと思います。手のひらから出るパワーとは、ひょっとしたらこの最も基本的な治療手段に通じる原点であったのかもしれません。

合掌。