コラム - 院長より

 

Vol.150 2015/11

田老町・宮古の地に立って  ~大森医師会災害救急視察~

10月31日から11月1日にかけて、大森医師会では被災地に災害救急の視察に行ってきました。田老町はあの日TVに放映された、「あの大津波」がいくつかの防潮堤や林を乗り越えて民家を襲ったあの街です。

海岸には大津波に打ち破られた4.5mの防潮堤のブロックが、そのまま無残にも何か所にわたってそのまま残されていました。流れ来る津波の濁流(全てヘドロだったそうです)を動画撮影されていたホテルの社長の声が、今もそこに流れているような気がしました。

映像上で、忘れ物を取りに家に戻って逃げ遅れて命を落としてしまった方を撮影したお寺の高台に立つと、当日の迫りくる轟音と恐怖が、私のこの胸にも押し寄せてきたような気がしました。濁流に奪われた方々のご冥福をあらためてお祈りいたしました。

宮古では、多数の腎透析を行っていらっしゃる後藤医院をみせていただきました。診療所の1階部分、1.75mのところまで津波が来たにもかかわらず、阪神淡路地震の後から巨額の自費を投じて病院4Fに自家発電機を設置してこられた先見の明が、暗かった街を照らし続けたことに感動しました。

大森で、大田区で、東京で大震災が起きてしまった時、何ができるか? 迫りくる自然の力には何もできないかもしれません。しかし、少しでも踏ん張れるように、常日頃から皆さんとともに考え、準備をまた一歩すすめていかなくてはならないと思いました。