よくわかる Dr.くどうのミニ・レクチャー

栄養療法のすすめ

 気持ちが落ち込んで、何をするにも体がだるく、ドキドキくらくらとめまいがする。寒くて仕方ない。いくつもの病院をまわり、うつ病、パニック障害、時には気のせいといわれてきた41歳の患者さんが来院されました。私も症状からうつ状態と考え、西洋薬と漢方薬の処方をしました。しかし一向に症状が軽快されず、私も悩みました。ひょっとしたら、精神的なこと以前に、このような症状をきたす悪い栄養状態に体が陥っていらっしゃるのではないかと思い、もう1度異なる見方での血液検査をさせてもらいました。その結果、フェリチンという血液中の酸素を運ぶ“鉄のトラック”が極めて低下していました。そこでこれを補うためのサプリメントをお勧めしました。この種の普通の西洋薬では胃腸の調子を崩しやすいので、このサプリメントを勧めたわけです。効果は、私も正直言って驚きました。みるみる症状が回復し4週間後には、今までの抗うつ剤はお守り程度に持っているだけで、服用しなくなりました。今までの症状は、栄養素の1つの鉄が足りなかったことによる細胞の酸素欠乏状態だったのです。

 我々現代の西洋医学で教育されてきた医師は、この症状がでたらこの薬、あの症状にはあの薬と処方しがちです。もちろんこれで治らなかった時、その原因になる病気を考えるようにも教育されています。しかしそこで病気が見つかればまた西洋薬です。私のわずかながらの経験からしても、この方法でいくと次から次へと薬が増えてしまい、気がつくと食事の代わりに薬を食べる状態になってしまっていることが少なくありません。我々は医学教育の中で、外科ならば切ること、内科ならば薬のことに目を向ける傾向が強かったように思います。栄養学というものは、ほとんど臨床的な面から忘れられていたのかもしれません。

 普通の治療で治らない時、体の栄養バランスが崩れていることに目を向けましょう。 最近はアメリカの影響からか、日本でもサプリメントが流行しています。このサプリメントは保険がきかないため、値段にもピンからキリがあり、購入方法もインターネットからコンビニまで、いろいろなところで入手できます。しかし成分や純度の点で、その信頼性には十分な注意が必要です。我々医師がすすめるサプリメントは、価格もある程度しますが成分は確かです。いろいろな症状の多くは、病気ではないのに栄養のバランスが崩れて生じていることが多いこと、そしてそれは薬ではなく、純度の高い栄養素(サプリメント)を短期間で大量に摂取すると治ってくる場合が高頻度にあることを今回はお伝えしたいと思います。

 今秋から私自身、今までの反省と自戒の念をこめて、栄養療法を学ぶべく、分子整合栄養学の(大)学院に入学しました。これからは当クリニックでも、この栄養療法も積極的に取り入れていきます。

 皆さん、疑問に思うことはどんどんお尋ねください。