よくわかる Dr.くどうのミニ・レクチャー

記憶 ・・・脳の中の神秘的な構造をのぞいてみましょう!

 一言で“記憶”といっても、数時間で忘れてしまう「短期記憶」、それ以上覚えている「長期記憶」があります。もの忘れなどが何故おきるのかを知るためには、この記憶の仕組みを知っておく必要があります。

 では脳のどの部位が、この2つの記憶の働きをしているのでしょう?よく記憶には海馬が重要といわれます。海馬は人の脳では大脳の最も深いところにあって、タツノオトシゴや神話の世界の神様の乗り物に似た弓形構造をしています。現在海馬には、五感を司る器官から集まってくる、いろいろな刺激を整理し1ヶ月から数ヶ月程度の一時的な記憶を蓄えておく働きがあると考えられています。つまり海馬は新しい記憶を作り短期記憶を司っているだけで、そこにある記憶はそのままではすぐに忘れ去られる運命にあります。それでは記憶の最終貯蔵庫となる長期記憶はどこの脳が担当しているのでしょう?これに関しては現在のところ、大脳皮質の一部、特に耳の奥あたりに位置する側頭葉だとする説が有力です。

 次にどうやって脳は短期記憶や長期記憶をすることができるかです。短期記憶は海馬における神経の信号伝達が活発化することによりなされ、長期記憶は側頭葉の神経細胞内で覚えさせるための記憶タンパク質が作られることによるといわれています。電気の信号だけではすぐに消えてしまうため、タンパク質を作って記憶を神経に貼り付けておけば消えづらいとイメージすればよくわかりますね。

 したがって記憶を維持しておくため、つまりボケないためには五感を活発に動かして情報を脳に入力し海馬で短期記憶させ、大豆など脳の喜ぶ栄養をしっかりとって記憶タンパク質を側頭葉でうまく作って長期記憶をさせることが重要です。ボケないためにはさらに、この蓄積された記憶脳から情報を取り出す訓練、脳を使うことがホントは更に大切なのです。

図1